あと少しで今日の仕事も終わりだぁなんて感じで笑い話しに花が咲きかけたとき、職場の前をのっそのっそと黒いラブラドール・レトリーバーが通りすぎていきました。 同伴者はいません。
いくら彼らは頭が良い犬種だっていっても事故に遭うかもしれないので、職場に連れてきました。 いま思えば咬まれるとかなんて全く考えずに。 ラブラドールは咬まないって勝手に思っています、ボク(笑)。 でもとっても人懐っこくって最初は抵抗しましたが、素直に引っ張られてくれました。
そんな優しい彼だから家の人も心配しているだろうと思って近所の人や店に聞いて廻ろうかと思ったけど、いくら暇でも仕事中。 拾得物として警察に連絡しました。
いつもの常連さんがそのうちに来て「捨て犬だな」とか「ガリガリじゃねえか」とか「そこらじゅう怪我している」とか「一週間かな(意味解りますよね)」など、心で思っていても認めたくないから言わなかったセリフをズバズバ言ってくれちゃいました。
でもね、常連さんも雑種犬を20年、足が立たなくなる最後まで世話をして、もう飼わないって思っていたけど、それでもまた最後まで面倒みるって決めて、いまはジャック・ラッセル・テリアを飼っているんです。 色々言っていますが結局飼い主の悪口を言っているのと、可哀相な彼に掛ける言葉が無いって感じなんですよね。 「オレ、嫌な時に来ちゃったな」と言っていたし。
結局、警察官の方が預かるためにクルマで迎えにきてくれる事になりました。 常連さんは「連れてかれるの見たくないから先に帰る」って言っていたけど警察のクルマに乗せられて走り去るのを見送ったんですがね。
30分くらいして担当してくれた警察官から電話があって「明日、条例に基づき県の愛護館へ移しますね」愛護館=保健所っすね。 はぁ。 警察には飼い主からの連絡は入っていないそうです。 あああああ、彼の運命は・・・。
こんなに可愛いのにね。 あと警察官が電話の最後に「もし飼い主が見つからなかった場合、引き取っては・・・」
あああああ、その返事、言葉にしなきゃ駄目? あなたも見るからに犬大好きって感じだったもんね。
みーんな何とかしてあげたいって思っているんだよ、彼の飼い主以外はね。